全世界で実用化に向けての調査・開発が進む海底鉱物資源 !!

海底鉱物資源の産業利用-日本EEZ内の新資源-
Seafloor Mineral Resources for Industrial Use-New Mineral Resources in Japanese Exclusive Economic Zone-

商品概要
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略称
海底鉱物資源
商品No
bk7439
発刊日
2013年06月28日(金)
ISBN
978-4-7813-0791-6
体裁
B5判、237頁
価格
70,400円 (本体価格:64,000円)
送料
当社負担(国内)
発行
(株)シーエムシー出版
問い合わせ
(株)R&D支援センター TEL:03-5857-4811 MAIL:[email protected]
監修
飯笹幸吉
著者
飯笹幸吉   東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授
小島茂明   東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授
砂村倫成   東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 助教
岡村慶   高知大学 海洋コア総合研究センター 准教授
岸本清行   (独)産業技術総合研究所 地質情報研究部門 資源テクトニクス研究グループ
丸茂克美   富山大学 大学院理工学研究部 地球生命環境科学専攻 教授
篠原雅尚   東京大学 地震研究所 観測開発基盤センター 教授
金沢敏彦   (独)防災科学技術研究所 観測・予測研究領域 地震・火山防災研究ユニット 海底地震津波観測網整備推進室 室長
新谷昌人   東京大学 地震研究所 観測開発基盤センター 准教授
藤本博己   東北大学 災害科学国際研究所 災害理学研究部門 海底地殻変動研究分野 教授
山田知朗   東京大学 地震研究所 地震予知研究センター 助教
石原丈実   (独)産業技術総合研究所 地質情報研究部門 資源テクトニクス研究グループ テクニカルスタッフ
月岡哲   (独)海洋研究開発機構 海洋工学センター 運航管理部 探査機運用グループ グループリーダー
徳山英一   高知大学 海洋コア総合研究センター 
市川大   早稲田大学 理工学術院
多良賢二   東京大学 大気海洋研究所
伊藤譲   (株)海洋工学研究所
芦寿一郎   東京大学 大気海洋研究所 
亀尾桂   東京大学 大気海洋研究所
斎藤章   早稲田大学 創造理工学部 環境資源工学科 特任教授
秋山義夫   三菱マテリアルテクノ(株) 顧問
中村崇   東北大学 多元物質科学研究所 教授
大木達也   (独)産業技術総合研究所 環境管理技術研究部門 研究グループ長
伊藤真由美   北海道大学 大学院工学研究院 准教授
柴田悦郎   東北大学 多元物質科学研究所 准教授
臼井朗   高知大学 理学部 教授
福島朋彦   東京大学 農学生命科学研究科 上席主幹研究員
髙川真一   東京大学 生産技術研究所 海中工学国際研究センター 特任教授
浅田昭   東京大学 生産技術研究所 海中工学国際研究センター 教授
巻俊宏   東京大学 生産技術研究所 海中工学国際研究センター 准教授
白山義久   (独)海洋研究開発機構 研究担当理事
髙島正之   (社)日本プロジェクト産業協議会(JAPIC) 海洋資源事業化委員会 委員長
澤田賢治   東京大学 生産技術研究所 サスティナブル材料国際研究センター 客員教授
織田洋一   (株)三井物産戦略研究所 新事業開発部 マテリアル&ライフイノベーション室 シニアプロジェクトマネージャー
安永裕幸   経済産業省 資源エネルギー庁 鉱物資源課長
中谷和弘   東京大学 大学院法学政治学研究科 教授
谷伸   内閣官房 総合海洋政策本部事務局 内閣参事官
発刊にあたって
平成25年4月、日本政府は新たな海洋基本計画を閣議決定した。この計画の中で、海底鉱物資源開発に向けた研究開発を積極的に推進することを謳っている。開発対象となる資源の有力候補として挙げられているのは、いわゆる海底熱水鉱床とコバルトリッチマンガンクラストである。
 これら海底鉱物資源は最先端産業に欠かせないレアメタルを豊富に含んでいる。しかしながら、商業開発を考えるにはその潜在鉱物資源量はじめ、環境、採鉱、揚鉱などに関して解決すべき課題が山積している。それらの方策について、本書では理学、工学、資源経済学、法学などの諸分野を代表する専門家が、科学的調査・研究、技術開発などによる成果を基に、学際的観点から考察を行っている。
 海洋基本計画の冒頭に記されているように、日本の海底鉱物資源ポテンシャルに対する期待は、資源小国からの脱却をめざすことにあるとされる。それは何より、海底鉱物資源に関する開発システムの日本版を世界に先駆けて構築し、この分野の発展をより一層促すことに貢献することでもある。そのためには、広大な海域に眠る鉱物資源の実態とそれを取り巻く環境についての、迅速かつ、より的確な把握が不可欠である。
 ところで、日本はほんとうに「資源小国」なのだろうか。かつて、陸域の金属資源を採掘していた時代は、決して資源小国ではなかった。さらに、陸域ではなく海域に着目するならば、日本が置かれている地球科学的特徴は大きな可能性を秘めている。海域にはプレート収束域もあれば、海底がまさに作られつつある背弧リフトも存在しており、そのような周辺海域に豊富な資源が眠っていることは、科学的研究によって明らかになりつつある。この恵まれたフィールドにおける科学調査・研究を、より一層加速すべき時である。すでに未踏海域・領域へフロントランナーとして挑んでいる西欧諸国の海洋研究者の後塵を拝するような愚は、避けなければならない。
 日本の海研究の各分野をリードする叡智を結集し、海底鉱物資源の開発に向けた法的整備をはじめ、最先端の研究・技術開発の成果や取り組みについて論じた本書が、今後の調査・研究・開発の一助となり、海洋の適切な管理および持続可能な有効利用に寄与できることを、執筆者一同、心より願っている。
書籍の内容
第1編:海底熱水鉱床の実態とその探査・評価・回収技術
第1章 海底熱水鉱床
1 海底における塊状硫化物の特徴  (飯笹幸吉)
1.1 はじめに
1.2 世界の海底熱水活動域の分布
1.3 海底熱水活動の時代変遷
1.4 熱源と塊状硫化物の分布
1.4.1 東太平洋の中央海嶺
1.4.2 大西洋中央海嶺
1.4.3 島弧-背弧系
1.5 熱水溶液の特徴
1.6 プルームの存在
1.7 島弧-背弧リフトにおける熱水活動域の出現数
1.8 現世海底熱水活動域のチムニーとマウンド形成機構
1.9 塊状硫化物の化学組成
1.10 塊状硫化物の潜在鉱物資源量
1.11 結び
2 海底熱水活動域の生物群集  (小島茂明)
2.1 はじめに
2.2 化学合成生物群集
2.3 主要な動物群
2.4 幼生生態
2.5 集団構造
2.6 生物群集の遷移
3 海底熱水活動域の微生物群集  (砂村倫成)
3.1 はじめに
3.2 生物のエネルギー源と炭素源
3.3 熱水孔下地下生物圏
3.4 チムニー、硫化物マウンド
3.5 熱水-海水混合域と熱水プルーム
3.6 鉱床開発と微生物生態系の保全
第2章 海底熱水鉱床の探査法   
1 海底熱水活動域(海底熱水鉱床)の地質・鉱物学的探査手法  (飯笹幸吉)
1.1 はじめに
1.2 地質・鉱物学的探査手法の意義
1.3 現世海底熱水活動域における粒子状物質の特徴
1.3.1 マウンド表層の構成要素
1.4 粒子状物質のスモーカー
1.4.1 明神礁カルデラ
1.4.2 明神海丘カルデラ
1.5 調査海域の選定と海底堆積物試料の採取
1.5.1 地質試料採取のための地形・地質構造の特徴による海域選定
1.5.2 海底堆積物の採取方法
1.5.3 採取試料の重鉱物分析
1.6 海底堆積物から分離・濃集した熱水起源重鉱物
1.6.1 柱状地質試料の地質・鉱物学的意義
1.7 結び
2 化学センサによる探査  (岡村慶)
2.1 海底熱水鉱床に関する海水の化学
2.2 熱水の活動段階に応じた探査
2.3 熱水プルーム探査のプラットフォーム
2.4 プラットフォームに搭載する化学センサについて
2.5 採水器について
3 音波によるプルームの検出  (岸本清行)
3.1 はじめに
3.2 海水中のプルームを音響的に観測した最近の事例
3.3 音波によるプルーム観測/検知の最近の展開
4 水銀同位体による探査  (丸茂克美)
4.1 水銀同位体の概要
4.2 水銀同位体を用いた鉱床探査の原理
4.3 黒鉱鉱床での水銀同位体探査技術の検証
第3章 海底熱水鉱床の潜在資源量評価手法
1 移動体搭載型重力計システムの開発と実証試験観測
(篠原雅尚、 金沢敏彦、新谷昌人、藤本博己、山田知朗、石原丈実、月岡哲)
1.1 海底熱水鉱床探査のための移動体搭載型重力計システム
1.2 海中重力計システム
1.3 重力鉛直偏差計システム
1.4 実証試験観測
2 海底熱水鉱床の内部構造をイメージングする―新しい音波探査システムの開発―
(徳山英一、市川大、多良賢二、伊藤譲、芦寿一郎、亀尾桂)
2.1 はじめに
2.2 海底接地型音波探査システムの開発
2.3 接地型高周波発震器
2.3.1 接地型発震器の技術開発
2.3.2 油圧式と動電式の併用について
2.4 実海域テスト
2.5 取得データの処理と解釈
3 電磁気  (斎藤章)
3.1 はじめに
3.2 電磁探査法の原理
3.3 IP効果
3.4 海底熱水鉱床の電気的性質
3.5 海底での電磁探査の問題点
3.6 海底電磁探査技術の現状
3.6.1 OFG社のシステム
3.6.2 早稲田大学のシステム
3.6.3 京都大学のシステム
3.7 早稲田大学のIP測定システム
3.8 今後の海底電磁探査技術
第4章 海底熱水鉱床の回収技術
1 採掘・揚鉱と脱水・排水  (秋山義夫)
1.1 はじめに
1.2 技術開発の現状
1.2.1 採掘・集鉱システム
1.2.2 揚鉱システム
1.2.3 脱水・排水システム
1.3 実操業で予想される課題
2 選鉱・製錬  (中村崇、大木達也、伊藤真由美、柴田悦郎)
2.1 はじめに
2.2 試料の概要
2.2.1 鉱物組成
2.2.2 鉱物粒子サイズと単体分離性
2.3 選鉱試験
2.3.1 試料
2.3.2 試薬
2.3.3 実験方法
2.3.4 結果および考察
2.3.5 処理フロー
2.4 製錬に関する基礎試験
2.4.1 実験方法
2.4.2 実験結果および考察
2.5 まとめ

第2編:マンガン酸化物の実態とその探査・評価・回収技術
第5章 マンガン団塊とマンガンクラストの実態  (臼井朗)
1 はじめに
2 開発の動機と経緯
3 分布・産状
4 組成と起源
5 鉱床としての評価
6 わが国周辺海域の鉱床
7 開発を巡る法的整備
8 科学研究の必要性
第6章 環境影響調査  (福島朋彦)
1 はじめに
2 環境調査の歴史
2.1 基礎環境調査
2.2 影響要因の絞り込み
2.3 影響実証実験
3 マンガン団塊の分布する海域の環境
3.1 実験海域の概略
3.2 実験の要約
4 制度について
5 おわりに
第3編:海底鉱物資源探査のプラットフォームとその利用―海中ロボット―
まえがき
第7章 海中ロボットの開発  (髙川真一)
1 海中ロボットに求められる基本的な機能
1.1 耐圧・均圧・浮力
1.2 位置の認識
2 海中ロボットの特徴
2.1 有人潜水艇
2.2 ROV
2.3 AUV
3 AUVと人工知能
4 AUVの開発状況
5 AUVの利用状況
第8章 海中ロボット搭載の3次元合成開口インターフェロメトリソーナー   (浅田昭)
1 はじめに
2 音響精密測位システムの開発
2.1 ミラートランスポンダ方式LBL測位システム
2.2 DVL/光ジャイロ測位システム
2.3 ミラートランスポンダ式SSBL測位システム
3 3次元合成開口インターフェロメトリーソーナーの開発
4 重複する2次元アレイエコー信号による高精度位置補正
5 海底鉱物資源探査解析ソフトウェアの開発
第9章 海中ロボットによる海底の3次元画像マッピング  (巻俊宏)
1 はじめに
2 背景
3 AUV Tri-Dog 1
4 AUV Tri-TON

第4編:海底鉱物資源の産業利用に向けての課題と展望
第10章 海洋鉱物資源の開発と海洋環境保全  (白山義久)
1 はじめに
2 海洋環境の保全にかかわる国際的枠組み
2.1 ロンドン条約
2.2 国際海底機構
2.3 生物多様性条約(CBD)
3 海洋保護区(MPA)
3.1 海洋保護区と生態・生物学的重要海域
3.2 ネットワークに関する考え方
4 深海鉱物資源の開発にあたって
4.1 マンガン団塊の事例
4.2 MPAはだれが設定するのか
4.3 熱水鉱床やコバルトリッチクラストの開発について
5 おわりに
第11章 海底鉱物資源の産業利用に向けて  (髙島正之)
1 はじめに
2 海底熱水鉱床開発の必要性
3 開発の現状
4 当面の課題とその対応策
第12章 陸上資源と深海底鉱物資源  (澤田賢治)
1 はじめに
2 銅を中心とした資源の発見推移
3 資源の探鉱から生産にいたるコスト
3.1 探鉱コスト
3.2 鉱山開発コスト
3.3 銅の生産コスト
4 資源制約下における今後の動向
第13章 海底鉱物資源ビジネスの動き  (織田洋一)
1 海外企業の動向
2 海底熱水鉱床の商業開発計画
3 マンガン団塊を巡る最近の動向
4 ノーチラス社の特徴
5 ノーチラスの最近の動向
6 おわりに
第14章 海底鉱物資源政策の現状と改正鉱業法  (安永裕幸)
1 はじめに
2 海底熱水鉱床に関する取組み
2.1 総論
2.2 資源量調査
2.3 採鉱・揚鉱等の資源生産技術
2.4 製錬技術
2.5 環境影響評価および環境保全
3 コバルトリッチクラストおよびマンガン団塊に関する取組み
4 海のレアアース泥に関する取組み
5 改正鉱業法と今後の海底鉱物資源開発について
6 おわりに
第15章 海底鉱物資源開発に関する国際法  (中谷和弘)
1 国際法における海底の区分 
2 大陸棚における鉱物資源開発に関する国際法
2.1 大陸棚に対する主権的権利
2.2 大陸棚境界画定
2.3 境界未画定の大陸棚における一方的鉱物資源開発
2.4 大陸棚をめぐる中国、韓国との関係
2.5 大陸棚における海洋科学調査
2.6 大陸棚における鉱物資源開発と鉱業法
3 延伸大陸棚における鉱物資源開発に関する国際法
3.1 大陸棚限界委員会における日本の延伸大陸棚に関する勧告
3.2 延伸大陸棚における鉱物資源開発の果実の拠出
4 深海底における鉱物資源開発に関する国際法
4.1 「人類の共同の財産」としての深海底
4.2 深海底における鉱物資源開発の果実の拠出
4.3 深海底における海洋科学調査
第16章 国連海洋法条約の「大陸棚」  (谷伸)
1 大陸棚とは
2 国連海洋法条約の大陸棚
3 我が国の申請
4 CLCSの勧告
5 大陸棚と資源
6 大陸棚延伸に関する諸外国の動向
7 今後の課題…資源大国への道
第17章 海底鉱物資源開発の戦略  (飯笹幸吉)
1 はじめに
2 日本の海底鉱物資源と現状
3 潜在鉱物資源量の把握
4 海域における探査・評価の手法
5 古い海山域における海底熱水活動の可能性
6 海底熱水活動域の環境モニタリング
7 海底熱水鉱床開発に向けた協同体制
8 結び
キーワード
海底,鉱物,資源,産業,日本EEZ,資源,書籍
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