★ 接着剤を成分、形態、固化・接着方法、機能、特性から分類し、解説!
★ 接着部に生じる残留応力の種類と接着強度の評価法について説明!
★ 接着剤の使用・管理のポイント、選定した接着剤の適性評価とは!
★ 接着でよく生じる不具合とその改善策について、具体的に詳述した!
★ 接着の実作業においてポイントになる点についても説明した !
★ 初めての人に理解できるよう、図や表で視覚的にわかり易くした技術書!

初めての人も、技術者も理解できる 接着の基礎とその応用
The Basic Knowledge and Application of Adhesion Technology

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商品概要
略称
接着
商品No
bk8081
発刊日
2020年09月15日(火)
ISBN
978-4-904482-87-2
体裁
A4判・並製・約150頁
価格
66,000円 (本体価格:60,000円)
送料
当社負担(国内)
価格関連備考
冊子版  60,000円 + 消費税
セット(冊子 + CD)  70,000円 + 消費税
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発行
(株)シーエムシー・リサーチ
問い合わせ
Tel:03-5857-4811 E-mail:[email protected] 問い合わせフォーム
著者
園家 啓嗣  ソノヤラボ㈱ 代表
 / 山梨大学 名誉教授 工学博士、技術士(金属)、
  International Welding Engineer (IWE)、
  環境マネジメントシステム(ISO14001)審査員補

【経 歴】
 1977年 大阪大学大学院 修士課程修了
 1977年 石川島播磨重工㈱(現IHI)勤務
 2006年 産業技術総合研究所 客員研究員
 2007年 芝浦工業大学 教授
 2009年 山梨大学 教授
 2018年 ソノヤラボ㈱ 代表

【研究歴】
 企業、大学で、接合技術(アーク溶接、レーザ溶接、接着、超音波接合、摩擦攪拌等)、表面処理技術(溶射、めっき等)、金属材料、ライフサイクルアセスメント(LCA)などの研究開発を行ってきた。

【所属学会】
 溶接学会、溶射学会、表面技術協会

【著 書】
 「溶射技術とその応用」「環境圏の新しい燃焼工学」「レーザ加工技術の基礎とその応用」「抵抗スポット溶接技術の基礎とアルミ合金・異材接合への応用」「超音波接合の基礎とアルミニウム合金・異種金属接合への応用」など
趣旨
 接着の歴史は古く、紀元前3~4000年の中国や古代エジプト、古代バビロニアなどでは、既に膠(にかわ)や天然アスファルトが接着剤として用いられていた。日本では縄文時代から天然アスファルトが用いられ、奈良・平安時代には漆(うるし)が金箔の接着に用いられるようになった。近年の化学産業の発展によって、現在では天然系接着剤に変わって、合成高分子系のものが接着剤の主流となっている。強度や耐久性が要求される部分にも適用できる構造用接着剤が開発され、1950年代頃から軽量化が必要な航空機への適用によって、接着の技術は大きく進歩してきた。
 現在は、接着剤や粘着剤は、建築・土木、半導体素子を初めとする電子材料、自動車など身の回りの製品に広く活用され、航空・宇宙、再生医療分野でも高性能かつ使いやすい接着剤の開発競争が進んでいる。また、トルエン、ベンゼン、フロン類などの揮発性有機化合物を排出しない接着剤、解体性接着剤、バイオソース接着剤など、環境に優しい接着技術も求められている。
 本書では、各種製品の設計、製造に携わっている技術者、接合技術関係の仕事をされている技術者、また将来これらの分野に進まれる予定の学生を対象にして、接着技術の基礎知識とその応用について記述した。
 今までに出版されているこの分野の書物は、一般的な知識を記載しているものがほとんどである。しかし、本当に必要とされていることは、接着技術に関する基礎的な知識を単に習得するだけでなく、接着技術を実際に応用できるようになることである。本書では、接着剤の種類について成分、形態、固化・接着方法、機能、特性などから分類して特徴を出来るだけわかり易く説明した。接着部に生じる残留応力(内部応力)の種類と接着強度の評価法についても具体的に説明して理解できるようにした。また、接着でよく生じる不具合とその改善策について述べた。更に、接着の実作業においてポイントになる点についても説明した。そして全体を通してできるだけ図や表を使って、視覚的にわかり易くなるように心がけた。
 本書の構成は12章からなっている。
 1章では、接着技術の概要として、高品質な接着の重要性、接着剤の粘弾性特性、応力緩和について説明している。
 2章では、接着の歴史を説明してある。
 3章では、接着の原理、理想的な接着の状態、被着材表面に水などの吸着層を容易に形成させるための表面改質法などについて説明している。
 4章は、接着の長所を説明し、アーク溶接、抵抗スポット溶接、リベットなどの他の接合法と性能面の比較および静的強度・疲労強度の比較をしている。
 5章では、接着のメカニズム、性能面、作業面などでの欠点と、その欠点をカバーするための複合接着接合法、クリープ防止法などの対策について述べている。
 6章では、接着剤の種類を、成分、形態、固化・接着方法、機能、強度・硬さから分類して各々について説明してある。特に、強度・硬さからの分類では、構造用接着剤・準構造用接着剤、エンジニアリング接着剤、柔軟接着剤・粘着テープに分けて詳しく説明してある。
 7章では、接着部に加わるせん断力、引張力、はく離力の力の加わり方のよる分類、およびその評価方法について説明し、その時の強度試験で生じる破壊形態について述べた。また、接着強度に影響する各種因子(温度、接着層厚さ、継手形状など)について説明した。
 8章では、接着部に生じる残留応力の種類とその評価法について詳しく説明した。接着部に生じる残留応力(内部応力)によっていろいろな不具合が起きるため、残
留応力の評価は重要である。
 9章では、接着部に生じる残留応力に起因する不具合について、その種類および各々の対策を説明してある。
 10章では、品質に優れた製品を、高い生産性で製造するための接着設計技術とその構成要素(材料設計、品質設計など)について説明した。
 11章では、接着剤の選定方法について説明してある。
 12章では、接着の実作業時の主な注意点について説明してある。
書籍の内容

第1章 接着技術の概要
1. 接着技術の概要
 1.1 接着の品質の重要性
2. 接着剤の粘弾性特性
 2.1 弾性体、粘性体および粘弾性体
 2.2 粘弾性体の応力緩和
参考文献
第2章 接着技術の歴史
参考文献

第3章 接着の原理
1. 機械的結合 
2. 物理的相互作用 
3. 化学的相互作用
4. その他の要因
 4.1 静電気
 4.2 相互拡散
5. 濡れ性
6. 理想的な接着
 6.1 最も強い分子間力
 6.2 表面改質
 6.3 プライマー・カップリング剤処理
参考文献

第4章 接着の長所と効果
1. 接着の長所
 1.1 接着と各種接合法の比較
 1.2 静的強度の比較
 1.3 疲労強度の比較
2. 接着の効果
参考文献

第5章 接着の欠点と対策
1. 接着の欠点
2. 欠点に対する対策
 2.1 複合接着接合法
 2.2 クリープ対策
参考文献

第6章 接着剤の分類
1. 成分による分類 
2. 接着剤の形態による分類
3. 接着剤の固化・接着方法による分類
4. 接着剤の機能による分類
5. 接着剤の強度や硬さによる分類
 5.1 構造用接着剤、準構造用接着剤
 5.2 エンジニアリング接着剤
 5.3 柔軟接着剤・粘着テープ
6. 各種接着剤の特性比較
参考文献

第7章 接着部の評価
1. 接着強度の評価
 1.1 接着部に加わる力の方向
 1.2 接着強度の評価方法
 1.3 接着結合部の破壊形態
2. 接着剤の硬さおよび伸び
 2.1 接着剤の硬さ・伸びと接着強度の関係
 2.2 接着剤の靭性
3. 接着強度に影響する因子
 3.1 接着層の厚さが接着強度に及ぼす影響
 3.2 接着強度の温度特性
 3.3 重ね合わせ長さ(接着長さ)がせん断強度に及ぼす影響
 3.4 接着部の曲がりの影響
 3.5 その他の因子の影響
参考文献

第8章 残留応力(内部応力)
1. 接着部で生じる残留応力の種類
 1.1 硬化収縮応力
 1.2 熱収縮応力
 1.3 使用温度による熱応力
 1.4 吸水膨潤応力
 1.5 被着材の変形によって生じる応力
2. 残留応力を直接求める方法
 2.1 バイメタル法
 2.2 内部応力測定装置を使用する方法
 2.3 有限要素法で求める方法
参考文献

第9章 残留応力(内部応力)による不具合と改善策
1. 接着剤の塗布位置と塗布量のアンバランス
 1.1 接着剤のはみ出し
 1.2 接着剤の塗布位置と塗布量
 1.3 接着剤の弾性率や硬化収縮率
 1.4 勘合接着での偏心
2. 異種材料の接着
 2.1 接着部が平面状の場合
 2.2 勘合接着の場合
3. 接着部の構造
 3.1 接着層の厚さ調整
 3.2 はめ込み部品の接着
 3.3 接着層厚さのばらつき
 3.4 接着時の位置決め突起
4. 短時間硬化による接着
 4.1 紫外線硬化型接着剤
 4.2 高温加熱型接着剤
 4.3 室温硬化型接着剤
5. 接着剤のクリープ変形
 5.1 クリープ現象
 5.2 クリープ対策
参考文献

第10章 接着設計技術と構成要素
1. 接着設計技術 
2. 接着設計技術の構成要素
参考文献

第11章 接着剤の選定
1. 候補となる接着剤の種類の選定
2. 使用・管理上のポイントを考慮した接着剤の絞り込み
3. 選定した接着剤の適性評価
 3.1 実際に近い工程での簡易評価
 3.2 ダミーサンプルによる評価
 3.3 試験片による詳細データ取得
参考文献

第12章 接着の実作業時の注意点 
1. 被着材表面の凹凸
 1.1 部品の表面の凹凸による欠陥
 1.2 欠陥を防ぐ方法
2. プライマー塗布
 2.1 プライマー、カップリング剤、アクチベーター
 2.2 プライマーやカップリング剤の塗布量
 2.3 プライマーやカップリング剤を薄く塗布する方法
3. 接着時の加圧
 3.1 接着層の厚さの一定化
 3.2 平らでない部品の加圧力
4. 硬化時の留意点
 4.1 加熱硬化時の緩やかな昇温
 4.2 湿気硬化型接着剤の湿度管理
5. 部品の管理、接着前処理
 5.1 部品素材の確認
 5.2 部品寸法のランク分け
 5.3 キッテイング
 5.4 接着前処理
 5.5 接着直前での濡れ性チェック
6. 接着剤の管理
 6.1 接着剤の受け入れ
 6.2 接着剤の保管
 6.3 接着剤の取り出しと開封
 6.4 使用後の接着剤の再保管
7. 計量、混合、塗布の仕方
 7.1 計量・混合
 7.2 塗布の仕方
8. 特殊工程の作業
 8.1 特殊工程
 8.2 特殊工程での品質確保
参考文献
索引

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