➢ 新規な創薬モダリティとして注目の核酸医薬とmRNA医薬に焦点!
➢ その製造・分析法と研究開発の核となる基盤技術を網羅!
➢ 核酸医薬とmRNA医薬それぞれの概論を紹介したのち,それぞれの製造法ならびに分析法を詳述!
➢ 基盤技術開発に関する最新の研究成果,市場概況や製造支援の状況についても幅広く紹介!
➢ 当該分野の第一人者、小比賀聡先生、井上貴雄先生によるご監修!
序論 核酸医薬とmRNA医薬
─RNAレベルでの生体制御─
井上貴雄
1 はじめに
2 核酸医薬とmRNA医薬の違い
3 核酸医薬の品質評価
4 mRNA医薬の品質評価
5 核酸医薬の規制整備
6 mRNA医薬の規制整備
7 おわりに
脚注、参考文献
第1章 核酸医薬概論(核酸医薬とは)
第1節 核酸医薬概論
宮田完二郎
1 はじめに
2 核酸医薬の基本構造と作用機序
3 核酸医薬の体内動態とデリバリー技術
4 おわりに
参考文献
第2節 核酸医薬品のCMC概論
滝口直美
1 はじめに
2 オリゴヌクレオチドの製造
3 オリゴヌクレオチドの分析
3.1 特性
3.2 規格及び試験方法
3.3 オリゴヌクレオチドの不純物管理
4 オリゴヌクレオチドの製剤
5 核酸医薬品の品質に関する規制整備の現状
6 最後に
謝辞、参考文献
第2章 核酸医薬の製造と分析
第1節 オリゴ核酸の工業的生産と次世代の長鎖RNA生産
羽城周平,佐野坂真人,南海浩一
1 はじめに
2 オリゴ核酸の工業的生産
3 酵素ライゲーションによる長鎖RNAの作製
4 微生物による長鎖RNAの発酵生産
5 おわりに
参考文献
第2節 オリゴ核酸のバッチ式固相合成によるスケールアップ化
閨 正博
1 はじめに
2 オリゴヌクレオチドの固相合成
3 バッチ式固相合成法の弊社の取り組み
3.1 バッチ式合成機の開発
3.2 カラム充填式合成とバッチ式合成法との製品品質の比較
3.3 バッチ式固相合成法によるスケールアップ化
4 おわりに
参考文献
第3節 オリゴ核酸合成用担体NittoPhaseTM HLの開発とそれを用いたオリゴ核酸の大量合成
笠原 剛,岩本正史
1 はじめに
2 核酸合成能におけるNPHLとCPGの比較
3 NPHLを用いたオリゴ核酸の大量合成における製造パラメーターの最適化
3.1 固相担体の充填量
3.2 洗浄および各工程における固相担体の膨潤によるカラム内圧力の影響
3.3 脱保護工程
参考文献
第4節 MALDI-MSによるアンチセンス核酸の検出と構造解析
西風隆司
1 MALDI法とは
2 核酸測定に用いられるMALDIマトリックス
3 MALDI-TOF MSによるモデル核酸医薬品の検出
4 オリゴ核酸の配列確認法
5 MALDI-ISDの原理とオリゴ核酸イオンの開裂
6 MALDI-ISDによるモデル核酸医薬品の配列確認
7 まとめ
謝辞、参考文献
第5節 LC-MS/MSを用いたオリゴ核酸分析法の原理とその実例
唐澤 薫
1 はじめに
2 LC-MS/MS systemの概要および測定法
3 定性分析法および分析例
3.1 主成分の精密質量,同位体分布,配列の確認
3.1.1 精密質量,同位体分布の確認
3.1.2 配列確認
3.2 不純物・代謝物の検出,同定,構造推定
3.2.1 不純物・代謝物の検出,同定
3.2.2 不純物・代謝物の構造推定
4 定量分析法および分析例
4.1 相対定量
4.2 絶対定量
5 Acoustic Ejection Mass Spectrometry(AEMS)を用いた高速分析
5.1 AEMSの概要および測定法
5.2 AEMSを用いた分析例 – 高速分析
6 おわりに
謝辞、参考文献
第6節 高分解能LC-MSによるオリゴ核酸の特性解析
高原健太郎
1 オリゴ核酸分析におけるLC-MSの有用性
2 IPRP-LC-MSにより明らかにできるオリゴ核酸の特性
2.1 Full MS測定によるFLPおよび不純物の検出・質量確認
2.2 MS/MS測定によるオリゴ核酸の配列解析
3 オリゴ核酸医薬品不純物の相対定量
4 まとめ
参考文献
第7節 オリゴ核酸の2D-LC/MSの概要と分析事例
瀬崎浩史
1 はじめに
2 2D-LCの概要と分離モード
2.1 2D-LCの概要
2.2 2D-LCを使用した分析モード
3 2D-LC/MSを使用したオリゴ核酸分析事例
4 まとめ
謝辞
第8節 イオンモビリティー分離の原理と核酸医薬品への応用
廣瀬賢治
1 はじめに:核酸医薬品の分離分析
2 イオンモビリティー分離
3 核酸医薬品のイオンモビリティー分離の応用例
4 おわりに
参考文献
第3章 核酸医薬の基盤技術開発
第1節 アンチジーン核酸医薬を志向した非天然型3本鎖DNA形成を可能とする人工核酸の開発
谷口陽祐
1 3本鎖DNA形成とアンチジーン核酸の作用メカニズム
2 3本鎖DNA形成の問題点と解決法
2.1 プリンリッチなTFOの性質
2.2 3本鎖DNA形成の本質的な制限
2.3 アンチパラレル型3本鎖DNA形成のための人工核酸
3 人工核酸(シュードシチジン誘導体)の分子設計と機能評価
4 アンチジーン核酸としての機能検討
4.1 hTERT遺伝子を標的としたアンチジーン核酸の創成
4.2 アンチジーン核酸(AGO)の核内利用率の向上戦略
5 まとめと今後の展望
参考文献
第2節 4′-チオ核酸によるセントラルドグマへの挑戦
田良島典子,南川典昭
1 はじめに
2 DNAを鋳型とした4′-チオDNAの複製
3 4′-チオDNAから4′-チオRNAへの転写
4 4′-チオRNAからタンパク質への翻訳
5 4′-チオDNA→4′-チオRNA→タンパク質の連続的遺伝子発現反応
6 おわりに
参考文献
第3節 オフターゲット効果を回避するsiRNA医薬の分子設計
小林芳明,程久美子
1 はじめに
2 siRNAによる遺伝子発現制御機構
2.1 siRNAによるRNA干渉のメカニズム
2.2 ヒトで有効なsiRNAの配列規則性の発見
3 siRNAによるオフターゲット効果とそれを回避する分子設計
3.1 siRNAによるオフターゲット効果のメカニズム
3.2 塩基対合力を制御してオフターゲット効果を回避する手法
3.3 化学修飾により塩基対合力を制御してオフターゲット効果を回避する手法
3.4 化学修飾により立体障害を誘導することでオフターゲット効果を回避する手法
4 おわりに
参考文献
第4節 核酸やドラッグデリバリーシステムに対する免疫活性化の基礎と応用
清水太郎,高田春風,石田竜弘
1 はじめに
2 ドラッグデリバリーシステムによる核酸の体内・細胞内動態制御
3 核酸やドラッグデリバリーシステムに対する自然免疫応答
3.1 パターン認識受容体
3.2 補体系
3.3 サイトカイン・ケモカイン
4 核酸やドラッグデリバリーシステムに対する獲得免疫応答
4.1 獲得免疫
4.2 核酸に対する抗体誘導
4.3 PEGに対する抗体誘導
5 核酸やドラッグデリバリーシステムに対する免疫応答の回避
5.1 化学修飾・物性制御
5.2 免疫抑制・免疫寛容誘導
6 おわりに
参考文献
第5節 エクソソーム改変技術によるドラッグデリバリーシステムの開発と核酸医薬品への応用
吉岡祐亮
1 はじめに
2 エクソソームとは
3 エクソソームの取り込み
4 エクソソームの体内動態
5 デリバリーのキャリアとしてのエクソソーム
6 組織特異的な送達を目指したエクソソームDDSの開発
7 エクソソームの臨床応用
8おわりに
参考文献
第4章 mRNA医薬概論(mRNA医薬とは)
第1節 mRNA医薬概論:mRNAをクスリとして用いる
位髙啓史
1 mRNA創薬:その開発経緯
2 mRNA創薬における3要素
2.1 mRNA
2.2 DDS
2.3 mRNAを用いて投与する「情報」
参考文献
第2節 mRNA医薬の製造概論
吉田哲郎
1 はじめに
2 mRNA原薬の製造
2.1 In vitro Transcription
(1)鋳型DNA
(2)RNAポリメラーゼ
(3)基質NTP(ヌクレオシド三リン酸)
2.2 mRNA塩基配列
(1)コドン最適化
(2)UTR最適化
(3)mRNA高次構造
(4)5′-Cap構造
(5)Poly(A)鎖
2.3 mRNA精製
3 ドラッグデリバリーシステム(DDS)
3.1 mRNA内包脂質ナノ粒子(LNP)
3.2 LNPの製造方法
4 次世代型mRNA医薬
4.1 自己増幅型RNA(saRNA)
4.2 環状RNA(CircRNA)
5 今後の課題
5.1 組織特異的mRNA発現技術
5.2 個別化がんワクチンへの応用
5.3 次に来るパンデミックへの対応
参考文献
第5章 mRNA医薬の製造と分析
第1節 mRNA医薬の製造:タカラバイオが提供するソリューション
榎 竜嗣
1 はじめに
2 mRNA製造プロセス
3 品質試験
4 タカラバイオのmRNA医薬製造に対するソリューションの提供
5 おわりに
参考文献
第2節 mRNA医薬の開発製造受託事業の立ち上げ
高木大輔
1 はじめに
2 再生医療や創薬研究におけるmRNA応用
3 日本でのmRNA製造拠点立ち上げとmRNAの設計,製造における課題と対応
3.1 日本でのmRNA医薬品製造レベルの拠点確保
3.2 mRNA医薬品向け製造における課題
3.3 mRNAの設計について
4 mRNA医薬品への期待
参考文献
第3節 mRNA医薬の製造・分析技術
中島和幸
1 はじめに
2 mRNAの構造と分子設計
3 mRNA原薬の製造と品質管理
4 CDMOとしての役割
参考文献
第4節 mRNA医薬の製剤化
辻畑茂朝
1 mRNA医薬の製剤設計
1.1 mRNAのDDS製剤
1.2 脂質ナノ粒子の設計
2 脂質ナノ粒子のプロセス設計
2.1 粒子形成プロセス
2.2 ダウンストリームプロセス
3 おわりに
参考文献
第5節 高分解能LC-MSによるmRNA配列解析
高原健太郎
1 mRNA配列解析の難しさ
2 LC-MSによる配列解析に適したmRNA消化
3 消化されたmRNA断片の同定と配列解析
4 LC-MSによるmRNA配列解析の拡張性
4.1 化学修飾の同定
4.2 RNA不純物または混在するRNAの同定
5 まとめ
参考文献
第6節 mRNA医薬の分析
寺崎真樹
1 mRNA医薬
2 5′キャップ構造の分析
3 ポリA配列の分析
4 まとめ
参考文献
第6章 mRNA医薬の基盤技術開発
第1節 mRNAを医薬品として用いるための基盤技術
横尾英知,内田智士
1 はじめに
2 mRNAの高機能化
2.1 mRNAの化学修飾
2.2 自己増幅RNA
2.3 環状RNA
3 mRNAデリバリー
3.1 mRNAデリバリーの障壁と送達キャリア
3.2 脂質ベクター
3.3 リポポリプレックス
3.4 ポリプレックス
3.5 ペプチドベクター
3.6 ハイブリッドデリバリー材料
3.7 エクソソーム
4 mRNAの治療応用
5 おわりに
参考文献
第2節 脂質ナノ粒子を基盤とするmRNA医薬の開発
秋田英万
1 はじめに
2 DDSの観点から見たmRNA創薬のメリット
3 mRNAを搭載したLNPを形成する脂質材料の設計
4 国産の脂質様材料としてのssPalmの開発
5 ApoEを介した標的化・臓器標的化
6 今後の展望
6.1 LNPが引き起こす免疫応答制御
6.2 Extra-hepatic targeting
7 おわりに
参考文献
第3節 mRNA医薬品のドラッグデリバリーを可能にする化学修飾技術の開発と製剤化
大庭 誠
1 はじめに
2 mRNA医薬品の基礎
2.1 mRNA医薬品と遺伝子治療・バイオ医薬品との比較
2.2 mRNA医薬品の課題
3 化学修飾技術
3.1 Cap化技術
3.2 塩基の化学修飾
3.3 Poly(A)付加
3.4 非翻訳領域最適化
3.5 コドン最適化
4 DDS技術
4.1 脂質ナノ粒子
4.2 合成高分子ナノ粒子
4.3 その他のDDS技術
5 おわりに
参考文献
第4節 mRNA医薬の技術動向
飯笹 久
1 mRNAとは何か
2 ワクチンの歴史
3 ワクチンとは何か
4 mRNAワクチンの原理
5 mRNAワクチン開発の歴史
6 mRNAワクチンとCap構造
7 新型コロナウイルスの流行とmRNAワクチン
8 新型コロナウイルスの変異株とmRNAワクチン
9 mRNAワクチンからmRNA医薬品への展開
10 まとめ
参考文献
第5節 翻訳効率最大化のためのmRNA分子設計
乙竹真美,平岡陽花,阿部 洋
1 はじめに
2 終止コドンを除いた環状mRNAの翻訳活性と生体内安定性の向上
3 位置特異的なホスホロチオエート修飾の導入による翻訳活性向上
4 化学的キャップ化反応を用いたmRNAの完全化学合成
5 最後に
参考文献
第7章 核酸医薬・mRNA医薬の市場動向
第1節 核酸医薬・mRNA医薬の市場トレンド
立花浩司
・核酸医薬
・mRNA医薬
第2節 核酸医薬・mRNA医薬における製造支援サービス
立花浩司
1 概要
2 主要各社の動向と今後の展望
2.1 日東電工
2.2 エリクサジェン・サイエンティフィック・ジャパン(Elixirgen Scientific Japan)
2.3 アジレントテクノロジー(Agilent Technologies)
2.4 味の素バイオファーマサービス(ジーンデザイン)
2.5 日本触媒
2.6 住友化学
2.7 カネカユーロジェンテック(Kaneka Eurogentec S.A.)
2.8 東洋紡
2.9 神戸天然物化学
2.10 長瀬産業
2.11 十全化学
2.12 住商ファーマインターナショナル
2.13 ヤマサ醤油
2.14 アルカリス(ARCALIS)
2.15 主な市場参入企業の動向
(1)イーザアールエヌーエー・イムノセラピーズ(Etherna Immunotherapies)
(2)セロニック(Celonic AG)
(3)コーデンファーマ(Corden Pharma GmbH)
(4)ロンザ(Lonza Group AG)
(5)メルクライフサイエンス(Merck Life Science)
(6)サムスンバイオロジクス(Samsung Biologics)
(7)レンチュラー・バイオファーマ(Rentschler Biopharma)
(8)ラボラトリ・ファーマシューティカル・ロビ(Laboratorios Farmacéuticos Rovi)
(9)サーモフィッシャーサイエンティフィック(Thermo Fisher Scientific)
(10)ザルトリウス(Sartorius)
(11)ベリタスインシリコ(Veritas In Silico)
(12)AGCバイオロジクス
(13)タカラバイオ
(14)ステミルナ・セラピューティクス(Stemirna Therapeutics)
参考文献