★ 紙に高い機能性を付与した「機能紙」の開発技術と産業応用を纏めた一冊!
★ バリア性,耐水性,耐熱性,耐摩耗性,耐油性,耐薬品性,防塵性,透明性など目的に応じた機能性を紙へ付与する加工技術を詳述!
★ 脱プラスチック・減プラスチックに向けて環境面に配慮した紙のさまざまな展開に注目が集まる!
【第Ⅰ編 総論】
第1章 紙への各種機能性付与・応用展開
1 はじめに
2 紙の機能化手法
2.1 抄紙工程中に使用される薬品
2.2 抄紙工程後に使用される薬品
3 機能紙の開発
3.1 化学繊維からなる紙
3.2 高機能・高性能を有す紙
4 今後の紙の機能,機能化技術
5 おわりに
第2章 紙系材料の加工とその開発動向,脱プラスチック材料としての展望
1 三次元化した紙材料
1.1 紙器
1.2 段ボールとそれから成る紙箱
1.3 液体用紙容器
1.4 紙皿,コップ
1.5 紙袋
1.6 紙管
1.7 緩衝材
2 紙の複合加工法
2.1 塗工
2.2 紙の押し出し塗工
2.3 貼り合わせ
2.4 含浸
2.5 サイジング
2.6 バルカナイズ
2.7 モールディング
3 加工紙の環境特性
3.1 リサイクル性
3.2 加工紙に添加された薬剤の安全性(毒性,生分解性)
4 おわりに
【第Ⅱ編 加工技術と産業応用】
第1章 地球環境
1 紙の構造特性に基づく触媒材料の開発
1.1 はじめに
1.2 紙と触媒
1.3 触媒粉末のペーパー成型
1.4 光触媒のペーパー成型とシックハウス物質の除去
1.5 ペーパー光触媒による窒素酸化物および環境ホルモン物質の除去
1.6 水素をつくるペーパー触媒と燃料電池発電への応用
1.7 金属ナノ触媒のオンペーパー合成
1.8 紙の積層が機能する反応プロセス工学への展開
1.9 おわりに
2 光触媒-吸着材複合紙による水中のサルファ系抗菌剤の除去
2.1 緒言
2.2 光触媒-吸着材複合紙の調製
2.3 熱融着性繊維の配合量と乾燥温度が紙の湿潤強度に及ぼす影響
2.4 紫外線照射が光触媒-吸着材複合紙の強度に及ぼす影響
2.5 RAOC によるサルファ系抗菌剤の除去
3 セルロースナノファイバーによる紙物性の改良
3.1 はじめに
3.2 セルロースナノファイバー添加がパルプ繊維シートの物性と構造に及ぼす影響
3.3 セルロースナノファイバー添加パルプ繊維シートにおける歩留まりと引張強さの関係
3.4 まとめ
4 セルロース誘導体を活用した紙粉の押出成形
4.1 はじめに
4.2 紙の成形
4.3 セルロース誘導体を活用したバイオマス粉末の押出成形
4.4 セルロース誘導体を活用した紙粉の押出成形
4.5 最近の進展
4.6 まとめ
5 樹脂製気泡包材に代わる ALL 紙製包材の開発
5.1 はじめに
5.2 紙製緩衝封筒の開発
5.3 従来の緩衝封筒
5.4 紙製緩衝材の選定
5.5 クッションペーパーを用いた紙製緩衝材の検討
5.6 紙製緩衝封筒の緩衝性最適化の検討
5.7 紙製緩衝封筒「紙ネット封筒」について
5.8 最後に
6 超薄型断熱材:シリカエアロゲル複合シートの開発
6.1 はじめに
6.2 エアロゲルの特徴
6.3 エアロゲルの既存製品
6.4 湿式抄紙法によるエアロゲル/繊維複合シートの開発
6.5 終わりに
7 脱プラスチックを可能にする水性紙塗工用エマルションの開発
7.1 はじめに
7.2 ポリエチレンラミネートの役割
7.3 水性紙塗工用エマルション SEIKOATⓇシリーズ
7.4 おわりに
8 機能性段ボール及び機能紙の開発
8.1 はじめに
8.2 機能性段ボール
8.3 機能性薄紙
8.4 おわりに
9 芭蕉和紙の調製―地域資源を活用した新素材―
9.1 はじめに
9.2 バショウ繊維の抽出
9.3 芭蕉和紙の作製
9.4 芭蕉和紙の特長
9.5 おわりに
第2章 食品
1 植物由来の透明な紙「セルロースフィルム」の特徴と環境包装材料への応用
1.1 はじめに
1.2 セルロースフィルムについて
1.3 セルロースフィルム「セロハン」の歴史と現在
1.4 セルロースフィルムの製造方法
1.5 セルロースフィルムの特徴
1.6 新たなセルロースフィルムの展開
1.7 セルロースフィルムの日本での用途
1.8 日本のプラスチック戦略と包材設計の整合性
1.9 おわりに
2水溶性・生分解性ガスバリア樹脂の紙コーティング材特性
2.1 はじめに
2.2 食品包装材料を取り巻く状況
2.3 PVA の基礎物性
2.4 疎水基変性 PVA「エクセバールⓇ」
2.5 おわりに
3 凍結・結露面への貼付が可能なチルド環境対応ラベル素材
3.1 はじめに
3.2 粘着ラベル素材
3.3 低温貼付用粘着ラベル素材
3.4 極低温環境保存用ラベル素材
3.5 耐水紙ラベル素材
3.6 おわりに
4 コーティング用添加剤によるバリア性の付与と塗布液の各種課題と対策
4.1 はじめに
4.2 添加剤によるバリア効果の向上
4.3 コーティング液の塗布乾燥での課題と対策
4.4 おわりに
第3章 医療・ヘルスケア
1 ペーパー分析チップの作製技術とシステム化
1.1 はじめに
1.2 紙ベースのマイクロチップ作製技術
1.3 チップ上での液体流れの制御技術
1.4 チップ上での微量反応液の検出技術
1.5 紙ベースマイクロ分析チップ対応の検査システム
1.6 血球分離のためのフィルタ技術
1.7 おわりに
2 紙・プラスチック・テープを用いた検査用チップ/キット
2.1 はじめに
2.2 セルロース膜を利用した簡易な医療診断とその技術動向
2.3 学術研究における紙やテープ素材を用いた検査チップ
2.4 プラスチックを用いたマイクロ流路型検査デバイス
2.5 紙・プラスチック・テープを用いて作製するマイクロ流路
2.6 紙・プラスチック・テープで作る新型コロナウイルス抗体検査キット
第4章 エレクトロニクス
1 紙が拓くグリーン・フレキシブルエレクトロニクス
1.1 はじめに
1.2 フレキシブルな紙の電子ペーパー
1.3 ディスポーザブルなペーパー分子センサ
1.4 生分解性ペーパーメモリ
1.5 おわりに
2 有機導電性高分子と紙/パルプ繊維/セルロースナノファイバーの複合化によるフレキシブル導電シート
2.1 はじめに
2.2 有機導電性インクの創製
2.3 有機導電性インクをインクジェットで紙にプリントした導電性シート
2.4 有機導電性高分子を合成段階で複合化したパルプ繊維を抄紙した導電性シート
2.5 おわりに
3 セルロースナノファイバー(CNF)による蓄電体の開発―アモルファスセルロースナノファイバーを利用して創成した物理(量子)的蓄電体―
3.1 はじめに
3.2 TEMPO 酸化 CNF
3.3 実験方法
3.4 CNF 組織と蓄電機構
3.5 電気的特性
3.6 蓄電の複素数評価とI-V 特性
3.7 空中非接触給電
3.8 CNF の構造と蓄電に対する電子論的役割
3.9 結論
【第Ⅲ編 分析・周辺技術】
第1章 X 線回折法による紙中の微量成分分析
1 はじめに
2 実験方法
2.1 装置
3 分析事例
3.1 X 線回折法と電子顕微鏡観察を用いた紙中の石英含有量分析
3.2 ティシュペーパー中の微小異物の分析
3.3 市販機能紙の微量組成分析
4 おわりに
第2章 紙中薬品の定着状態の分析
1 はじめに
2 成紙およびパルプ繊維の分析手法について
3 成紙および成紙中のサイズ際の分布分析
3.1 SPM によるパルプ繊維の観察
3.2 SPM によるエマルジョン型表面サイズ剤の分布状態の可視化
4 パルプスラリー中における紙力増強剤の定着状態の分析
4.1 PAM 系両性紙力増強剤と PIC について
4.2 位相差顕微鏡による PIC の挙動解析
4.3 液中 SPM によるパルプスラリー中での PIC の定着状態の可視化
4.4 pH の違いによるパルプ繊維上の PIC の定着状態の観察
4.5 分子量の違いによるパルプ繊維上の PIC の定着状態の観察
4.6 PIC 定着状態と紙力効果について
5 PAM 系紙力増強剤開発への応用
5.1 改良型 PAM 系紙力増強剤の PIC 挙動解析
5.2 改良型 PAM 系紙力増強剤の評価
6 SEM-EDS による PAM 系紙力増強剤の可視化
7 まとめ
第3章 ウェットエンドにおける薬品の活用―生産性向上の為のケミカルアプローチ―
1 はじめに
2 生産性を阻害する汚れ物質について
2.1 ピッチコントロール剤
2.2 ワイヤーへの対策
2.3 フェルトへの対策
2.4 プレスロールでの対策について
3 おわりに