・CFRPを中心とした炭素繊維複合材からの炭素繊維回収技術と
 その再利用の最新動向を追う!

・SDGs達成に向けた炭素繊維の再生技術、再生炭素繊維の
 新規用途の現状を体系的に解説!

・最新の炭素繊維リサイクル技術とそれを用いた複合材料の
 開発、社会実装における課題やメーカの取り組みも詳解!

CFRPリサイクル・再利用の最新動向

商品概要
個数

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略称
CFRP
商品No
bk3403
発刊日
2023年11月15日(水)
ISBN
978-4-86043-846-3 C3058
体裁
B5 296頁
価格
55,000円 (本体価格:50,000円)
送料
当社負担(国内)
発行
(株)エヌ・ティー・エス
問い合わせ
Tel:03-5857-4811 E-mail:[email protected] 問い合わせフォーム
監修
加茂  徹  早稲田大学 ナノ・ライフ創新研究機構ナノプロセス研究所 上級研究員(研究院教授)
著者
加茂  徹  早稲田大学 ナノ・ライフ創新研究機構ナノプロセス研究所 上級研究員(研究院教授)
渡辺 裕吉  公益財団法人中部科学技術センター 技術アドバイザー
笠井 秀雄  カーボンファイバーリサイクル工業株式会社
水口  仁  株式会社ジンテク 代表取締役
所  千晴  早稲田大学 大学院創造理工学研究科 教授/東京大学 大学院工学系研究科 教授
佐伯  孝  富山県立大学 工学部 准教授
岡島いづみ  静岡大学 工学部 准教授
佐古  猛  静岡大学 創造科学技術大学院エネルギーシステム部門 特任教授
柴田 勝司  溶解技術株式会社 代表取締役
円子 春菜  株式会社ミライ化成 化成品部化成品二課 主任研究員
杉本 慶喜  国立研究開発法人産業技術総合研究所 マルチマテリアル研究部門
       ポリマー複合材料グループ 主任研究員
今井 祐介  国立研究開発法人産業技術総合研究所 マルチマテリアル研究部門
       ポリマー複合材料グループ 研究グループ長
鵜澤  潔  金沢工業大学 革新複合材料研究開発センター 教授
西籔 和明  近畿大学 理工学部 教授
奥山 圭一  日本大学 理工学部 教授
仲井 朝美  岐阜大学 工学部 教授
村上総一郎  地方独立行政法人岩手県工業技術センター 機能材料技術部 主査専門研究員
鈴木 一孝  地方独立行政法人岩手県工業技術センター 機能材料技術部 主任技術専門員
福田 泰弘  日本毛織株式会社 研究開発センター素材・技術開発室
宮本 弘毅  日本毛織株式会社 研究開発センター素材・技術開発室
天岡 和昭  名古屋大学ナショナルコンポジットセンター 特任准教授
井沢 省吾  名古屋大学ナショナルコンポジットセンター 研究員
附木 貴行  金沢工業大学 バイオ・化学部 講師
藤井  透  自動車用動力伝達技術研究組合 専務理事/同志社大学名誉教授/
       神奈川大学 工学研究所 客員教授
大窪 和也  同志社大学 理工学部 教授
守富  寛  守富環境工学総合研究所 所長/岐阜大学名誉教授
影山 裕史  金沢工業大学 大学院工学研究科 教授
小永井祐平  帝人株式会社 複合成形材料事業本部複合材料技術開発センター技術開発部 
       アプリケーション開発課長
小幡 真子  帝人株式会社 炭素繊維事業本部技術開発部
龍野 宏人  三菱ケミカル株式会社 スペシャリティマテリアルズビジネスグループ
       アドバンストマテリアルズ本部グローバルAMDイノベーション部 
       グローバル自動車材料マネジャー
金升 将征  三菱重工業株式会社 総合研究所製造研究部複合材研究室防衛第二チーム 主席チーム統括
山森  卓  三菱重工業株式会社 民間機セグメント787 主翼工作部工務課総務計画チーム 主席技師
西村  渉  三菱重工業株式会社 総合研究所製造研究部複合材研究室防衛第二チーム 上席主任
発刊にあたって
 軽くて丈夫な炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastic:CFRP)は,高価であっても最高度のパフォーマンスが要求される航空宇宙産業,F1レース,ヨットやスキー等の競技用スポーツ分野で使用されてきた。現在,温室効果ガスの排出量削減が最も重要な地球環境の問題となっており,CFRPの優れた特性を活かして軽量で省エネルギーな交通機関や超大型の風力発電施設への応用が検討されている。

 一方,炭素繊維は2,000~3,000℃の高温で炭素を黒鉛化させるため,製造時に膨大なエネルギーが消費される。また炭素繊維は難燃性で,工程廃材や使用済み製品を適正処理することは困難で大部分が埋め立て処理されている。CFRPを一般工業製品に広く利用するためには,製造エネルギーを大幅に削減するとともに,製品の長寿命化,修理やメンテナンスのしやすさが不可欠である。また工程廃材や使用済み製品をリサイクルすることにより,CFRP のライフサイクル全体を通しての環境負荷を低減することも求められている。

 これまでCFRPは物性向上や製造エネルギーの削減に主眼が置かれていた。本書は,ゼロカーボンを目指す持続可能な社会を実現するために注目されているCFRPのリサイクル技術に特化し,日本で活躍されている第一線の研究者や技術者に執筆を依頼した。持続可能な社会では,すべての素材を循環利用することが原則であり,循環利用できない素材は市場から駆逐されると予想されている。素材として優れた性能を有するCFRPを今後も使い続けるためにも,本書がリサイクル技術の発展に寄与できれば幸いである。

2023年10月
早稲田大学 加茂 徹
書籍の内容


第1章 CFRPのリサイクル技術と産業動向
 第1節 CFRPのリサイクル技術・再生炭素繊維活用の現状と課題(加茂 徹)
  1.持続可能な社会を目指す世界の背景
  2.CFRPに求められる課題
  3.使用済みCFRPの現状
  4.CFRPの市場
  5.CFRPのリサイクル技術の課題
  6.ゼロカーボンを目指す持続可能な社会で求められるCFRPとは
 第2節 国内における炭素繊維産業(リサイクル炭素繊維含む)の動向(渡辺 裕吉)
  1.炭素繊維複合材料の市場動向
  2.低炭素社会構築に向けた取り組み
  3.主な需要分野別の動向
  4.まとめ

第2章 熱分解によるCFRPリサイクル技術
 第1節 いぶし瓦焼によるCFRPリサイクル技術(笠井 秀雄)
  1.はじめに―SDGsに活きる匠の技術
  2.いぶし瓦焼の技術
  3.CFRPリサイクル
  4.CFRPリサイクルの選択肢
  5.CFRPの熱分解リサイクルに要求される事項
  6.二段階焼成法
  7.CFRI熱分解プロセスの特長
  8.おわりに
 第2節 半導体の熱活性(TASC)効果を利用したCFRPのリサイクル(水口 仁)
  1.はじめに
  2.半導体の熱活性(TASC)効果の概要
  3.CFRPの分解例
  4.安全性を担保したTASC実装機
  5.おわりに
 第3節 電気パルスを用いたCFRPの解体および炭素繊維の回収(所 千晴)
  1.電気パルス法による分離技術開発
  2.CFRP分離への電気パルス法の適用
  3.まとめ

第3章 液中によるCFRPリサイクル技術
 第1節 高温高圧水によるCFRPリサイクル技術(佐伯 孝)
  1.はじめに
  2.研究方法
  3.結果と考察
  4.おわりに
 第2節 超臨界流体法によるCFRPリサイクル技術(岡島 いづみ,佐古 猛)
  1.はじめに
  2.亜臨界・超臨界流体とは
  3.亜臨界・超臨界水によるCFRPのリサイクル
  4.亜臨界・超臨界メタノールによるCFRPのリサイクル
  5.その他の亜臨界・超臨界流体を用いるCFRPのリサイクル
  6.まとめ
 第3節 常圧溶解法によるCFRPリサイクル技術(柴田 勝司)
  1.常圧溶解法の概要
  2.ゴルフシャフトの試験管での溶解処理
  3.バドミントンラケットの20L溶解槽での溶解処理
  4.熱分解法で回収したCFとの比較
 第4節 溶媒法によるCFRPリサイクル技術(円子 春菜)
  1.はじめに
  2.溶媒法リサイクルの特長
  3.溶媒法リサイクルの社会実装に向けた検討
  4.再生炭素繊維の評価,加工について
  5.rCFの社会実装に向けた取り組み

第4章 試験手法とCFRP 設計/加工技術
 第1節 再生炭素繊維適用可能な引張特性試験手法(杉本 慶喜,今井 祐介)
  1.再生炭素繊維の評価の必要性
  2.再生炭素繊維の力学特性評価法
  3.まとめ
 第2節 リサイクル・リユース容易なCFRP設計・製造技術(鵜澤 潔)
  1.はじめに/rCF特有の再利用技術
  2.マクロな観点から見たリサイクル・リユースプロセスと熱可塑性CFRPの利点
  3.rCFによるリキッドモールディング成形
  4.おわりに
 第3節 熱可塑性CFRPの量産・再生のための加工技術(西籔 和明)
  1.はじめに
  2.熱可塑性CFRPの量産技術
  3.熱可塑性CFRPの再利用技術
  4.熱可塑性CFRPの自動製造と革新的な組立・接合技術
  5.まとめ

第5章 再生炭素繊維を利用した材料開発
 第1節 再生炭素繊維を利用したカーボン-金属複合材の開発(奥山 圭一)
  1.はじめに
  2.炭素繊維を利用したカーボン-金属複合材開発の目的
  3.炭素繊維を利用したカーボン-金属複合材の試作
  4.炭素繊維を利用したカーボン-金属複合材の機械特性
  5.おわりに
 第2節 再生炭素繊維を原料とした連続繊維強化複合部材の開発(仲井 朝美)
  1.はじめに
  2.リサイクル炭素繊維/樹脂繊維混合紡績糸
  3.リサイクル炭素繊維紡績糸を用いた複合材料成形技術の構築
  4.複雑形状を実現する強化形態
  5.おわりに
 第3節 リサイクル炭素繊維を原料とする樹脂系複合材料の開発(村上 総一郎,鈴木 一孝)
  1.はじめに
  2.実験方法
  3.リサイクル炭素繊維の特性評価
  4.リサイクル炭素繊維のサイジング処理およびナイロン樹脂との複合化
  5.リサイクル炭素繊維複合材料における引張強度への影響
  6.まとめ
 第4節 リサイクル炭素繊維を原料としたカード式不織布の開発(福田 泰弘,宮本 弘毅)
  1.はじめに
  2.リサイクル炭素繊維不織布
  3.リサイクル炭素繊維を用いたカード式不織布
  4.リサイクル炭素繊維100%高配向不織布
  5.リサイクル炭素繊維/有機繊維混綿不織布
  6.おわりに
 第5節 再生炭素繊維を原料とするCFRP自動車部材の開発(天岡 和昭,井沢 省吾)
  1.はじめに
  2.LFT-D成形技術開発の総括
  3.再生CFのLFT-D適用技術の開発
  4.LFT-D工程内廃材のリサイクル研究
  5.おわりに
 第6節 新規相溶化剤を用いたリグノセルロース繊維
    -リサイクル炭素繊維ハイブリッド材料の開発(附木 貴行)
  1.はじめに
  2.材 料
  3.界面せん断強度
  4.リグノセルロース繊維-リサイクル炭素繊維ハイブリッド材料の開発
  5.まとめ

第6章 リサイクル炭素繊維の生産・成形技術
 第1節 リサイクル炭素繊維を用いた成形品製造技術(藤井 透,大窪 和也)
  1.リサイクル炭素繊維の原料?
  2.RCFの形態
  3.RCFの形態(繊維長)と利用
  4.RCFを用いた複合材料成形
  5.いろいろ試してみる
  6.おわりに
 第2節 リサイクル炭素繊維を用いた連続糸化技術(守富 寛)
  1.はじめに
  2.リサイクル技術の進展
  3.バージン炭素繊維(vCF)とリサイクル炭素繊維(rCF)の相違
  4.超長繊維について
  5.超長繊維の擬似連続糸化の取り組みについて
  6.おわりに

第7章 業界におけるCFRPリサイクルの取り組み
 第1節 自動車業界におけるCFRPリサイクルの取り組み(影山裕史)
  1.はじめに
  2.将来モビリティとそのニーズ
  3.将来モビリティ用材料とCFRPの必要性
  4.将来モビリティ,CFRPのリサイクル(考え方)
  5.おわりに
 第2節 帝人㈱におけるCFRPリサイクルの取り組み(小永井 祐平,小幡 真子)
  1.帝人㈱の炭素繊維関連事業
  2.CFRPの課題
  3.帝人㈱のCFRPリサイクル
  4.各業界の環境規制の動向と帝人株式会社の取り組み
  5.素材リサイクルの課題への取り組み
 第3節 三菱ケミカル㈱におけるCFRPリサイクルの取り組み(龍野 宏人)
  1.はじめに
  2.炭素繊維の回収
  3.FIBERSEEDTM
  4.おわりに
 第4節 三菱重工業㈱におけるCFRPリサイクルの取り組み(金升 将征,山森 卓,西村 渉)
  1.はじめに
  2.リサイクル炭素繊維の性能評価
  3.サプライチェーンの構築
  4.今後の展望
 第5節 カーボンファイバーリサイクル工業㈱におけるCFRPリサイクルの取り組み(笠井 秀雄)
  1.はじめに
  2.CFRPのリサイクル,リユース,アップサイクル,水平リサイクルの問題点
  3.炭素繊維の製品価値とリサイクル炭素繊維の致命的な欠点
  4.炭素繊維需要としてのリサイクル炭素繊維
  5.分解技術競争から総合再生技術競争
  6.ターニングポイントとなったCFPとグローバル化
  7.カーボンファイバーリサイクル工業㈱におけるCFRPリサイクルの取り組み
    ―欧州とのリサイクルの取り組み
  8.カーボンファイバーリサイクル工業㈱におけるCFRPリサイクルの取り組み
    ―日本におけるリサイクルの取り組み
  9.カーボンファイバーリサイクル工業㈱におけるCFRPリサイクルの取り組み
    ―中国他とのリサイクルの取り組み
  10.まとめ

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